トランスルーセントグラスキャットの飼育方法まとめ
トランスルーセントグラスキャットの骨が丸見えのスケスケな身体は、初めて見る人にとても大きな衝撃を与えます。なかには「宇宙人みたい」という感想を持つ人もいますが、そんな特徴的な見た目から、熱帯魚の世界で古くから人気のある種です。
とても繊細な見た目なので飼育が難しそうに感じますが、実際はそこまででもなく、全く経験のない初心者でもちゃんと準備をすれば十分に飼うことができます。
基本データ
名称 | トランスルーセントグラスキャットフィッシュ |
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学名 | Kryptopterus bicirrhis |
分類 | ナマズグループ |
体長(成魚) | 10cm |
寿命 | 4年程度 |
飼育環境・飼育難易度 | |
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飼育温度 | 26℃前後 |
飼育水 | pH7.0 |
市場価格 | 300~500円 |
総合飼育難易度 | ★★☆☆☆ |
飼育のポイント
水槽は45cm以上がおすすめ
トランスルーセントグラスキャットフィッシュは最大体長が10㎝程度です。それに加え、普段群れで生活していることから、最低でも4~5匹を同時に飼育してあげないと、本来の姿で健康的に飼うことができません。それらを考えた場合、30cm規格水槽では少々手狭になってしまいますので、ワンランク上の45cm規格水槽が推奨サイズになります。
もちろんそれ以上の大きさの水槽を使ってもかまいません。10匹を越えてもしっかりと群れを作り、まるでサーカスのように動きを共にする様は、大型水槽でしか再現できない贅沢な姿です。
底砂は大磯砂かソイルでOK
トランスルーセントグラスキャットフィッシュの飼育において、特定の機能や性質をもった底砂の導入は必要ありません。そのため、汎用的かつ半永久的に使用できる大磯砂の導入がお勧めです。
ただし、大磯砂には貝殻等のpHを変化させる異物が入っているものがあるので、貝殻等処理済みのものを購入するか、自身でしっかりと処理をしてから使うようにしましょう。
また、本種と同時に水草を飼育しようとする場合には、水草が根を張りやすいソイルを用いるのがお勧めです。
フィルターは水流の発生が少ない上部式推奨
トランスルーセントグラスキャットフィッシュはナマズ(キャットフィッシュ)の中では珍しく、水中を遊泳する種ですが、泳ぎ自体はそれほど得意ではありません。
飼育に推奨される水槽は45cm規格ですので、外掛け式フィルターでは少々力不足ですから、より高性能で、かつあまり強い水流を発生させない上部フィルターの使用がおすすめです。
人工餌を食べない場合はアカムシなどと一緒に与える
トランスルーセントグラスキャットフィッシュの人工飼料への餌付けはそれほど難しくありません。水槽導入後、すぐに人口餌を入れるだけで食べ始めることもあります(本種はナマズの仲間にしては口が小さいので、細粒タイプのエサをあげましょう)。
いきなり入れただけでは食べない場合、冷凍アカムシなどを中心に与えながら、一緒に人工餌を水槽へ投入してください。しばらく続けているうちに、一緒に浮いている人工餌のことも気になり食べ始めるはずです。
混泳について
同種との混泳 | ○(容易) |
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他種との混泳 | ○(容易) |
トランスルーセントグラスキャットフィッシュは上の項目にも書いてある通り、もともと群れで生活する性質ですから、同種との混泳はむしろ推奨されます。水槽の大きさが許す限り、何匹いても大丈夫です。
他種に対しても敵対的な行動をとることはないおとなしい性質なので、基本的にどんな熱帯魚とも混泳することができます。もちろん、トランスルーセントグラスキャットフィッシュをいじめてしまうような気性の荒い種はNGですが…。
繁殖難易度
飼育下での繁殖 | ✕(困難) |
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トランスルーセントグラスキャットフィッシュの一般飼育下での繁殖方法は確立されておらず、実現は困難です。タイなど、一部の国では養殖がおこなわれていますが、詳細は不明ながら多量のホルモン剤等を使用して実践しているようです。
我々が日常生活でそれらを手に入れることはまず無理なので、繁殖への挑戦は諦めて、いま飼育している個体に情熱をそそぎましょう。