まずはじめに

アクアリウムの影の主役?「水草」について解説!

「熱帯魚と一緒に水草も飼おう」と考えている人は、水槽をセッティングする前に準備をしておくといいでしょう。後から説明するように、丈夫な水草であれば水槽の立ち上げと同時に中に入れることで、より速く安定した水槽環境の実現ができます。

水草の役割

水草の導入は、次のような効果があります。

見た目が良くなる

水草が豊富な水槽

四角いガラスの水槽に、水と魚、ポンプやホース類が並んでいるだけ‥。これだとやっぱり殺風景ですよね。そこで水草を導入すると、まるで自然を切り取ったような写実的な美しさをもたらすことができます。

熱帯魚の隠れ家になる

1匹だけ飼う場合にはあまり問題にはなりませんが、複数、特にいくつかの種類を合わせて水槽で飼う場合には、水草は弱い立場の熱帯魚にとって隠れ家として機能してくれます。お互いに目を合わせる機会が減れば、当然ケンカが起こるリスクも低くなりますよね。

産卵場所として機能する

一部の熱帯魚(メダカの仲間など)は、卵を水草に産み付けます。繁殖を考える場合には、忘れてはいけないポイントです。

水草に隠れるメダカ

水槽環境の維持

水草は植物なので、光合成を行います。それにより、水槽内の不要な栄養分の一部を消費したり、二酸化炭素を吸収して酸素を供給したりしてくれます。効果としてはとても穏やかなものなので、フィルターの代わりとまでは言いませんが、水槽環境が自然の状態に近づくと考えれば、とても有意義なことといえるでしょう。

また、この穏やかな作用を利用して、水槽立ち上げ時に丈夫な水草を投入することで、水槽の立ち上がりが早くなる効果があります。

水草の分類

水草は、いくつかの観点で種類分けがされています。とはいえ、〇〇植物みたいな植物学的な分類ではありません。アクアリストが利用するうえでの、便宜的な種類分けです。

前景草

背丈が短く(1cm程度)、水槽の前景に植えられることが多い水草です。底面の大部分を覆って草原のようにしたり、一部に密集させて視点を集めたりする使い方があります。

代表種

ドワーフリシア、ノチドメ

中景草

水槽の真ん中あたりに植えられることが多い、ほどほどの背の高さとボリュームがある水草です。水草レイアウトにおいて、多くの場合メインに使われます。

代表種

パールグラス、アヌビアス・ナナ、ミクロソリウム

遠景草

水槽の最も後ろ側に使われることの多いのが、遠景草です。背が高くボリュームのある種が多く、水槽内のホース類を隠したり、後ろ側全面を水草で覆ったりする使われ方をします。

代表種

ハイグロ・ウィステリア、アナカリス、アマゾンソード

浮き草

マツモ

上に挙げた3つのどれにも属さない仲間に、浮き草があります。その名の通り、水面に浮いて生育する水草です。主にグラミー類の産卵場所として導入されることが多いです。

代表種

マツモ、アマゾンフロッグビット

この記事をシェアする