水槽内で酸欠が起こる原因と対策を解説!
酸欠とは、文字通り酸素が足りなくなってしまうことです。熱帯魚はエラ呼吸で水中の酸素を体に入れていますから、酸素がなくなればもれなく死んでしまいます。
合図は鼻上げ
水槽内が酸欠になったときの代表的な反応は、熱帯魚が行う鼻上げです。水面の餌を食べる時のように、水面に口元を突き出してパクパクと口を動かします。こうなったときには、すぐに原因を特定して対処をしてあげる必要があります。
酸欠の原因と対策
生体の詰め込みすぎ
水中に溶け込める酸素の量には限りがあります。ある水槽に溶け込んでいる酸素量に対して、多すぎる生体(熱帯魚、エビ、貝etc…)を入れれば、そこにある酸素を使い切ってしまって、酸素不足になります。
ちなみに、光合成を行うので一見たくさん入れると酸素供給に良さそうな水草ですが、光のない消灯時間には、酸素を吸収して二酸化炭素を排出する呼吸しか行いません。よって水草の入れすぎにも注意が必要です。
- 対策
すぐに別の水槽を用意する、里子に出すなどして水槽内の生体数を減らしましょう。
温度の上昇
水中に溶け込める酸素の量は、水温が上がるにしたがって減少していきます。つまり、夏の高温期などに水槽内の温度が上がったことが引き金となり、酸欠が起こる可能性があります。
- 対策
冷却ファンなどを使い、水温の低下をはかりましょう。
水の粘度上昇
水の粘度が上がってネバネバしてくると、水中に溶け込める酸素の量が減少します。
ネバネバと言っても、水あめやスライムのようにはなりませんので、触っても気付けませんが、水面に発生した泡が中々(30秒以上)消えないことが、合図になります。
- 対策
1日で全体水量の1/4を限度に、すぐに水替えを行いましょう。
エアレーション不足
水中へは、水面が接している空気からも酸素が溶けていきます。この時、水面をゆらゆらと揺らして酸素が溶け込みやすくしてあげること(=エアレーション)で、効果的に酸素供給ができます。
そのエアレーションが不十分だと、水中の酸素量が徐々に減少していき、酸素不足になってしまいます。
なお、金魚飼育などでイメージされるいわゆるブクブク(エアレーション)は、見た目上、非常に効果が高そうですが、実はそれほど効果がないことが分かっています。
むしろエアレーションで必要なのは、水面を絶えずゆらゆら揺らしてあげることです。
- 対策
十分なエアレーションが行えるよう、器具やレイアウトを見直しましょう。
水槽の大きさに対して適正な数の生体を飼育していれば、酸欠はそれほど頻繁に起きるものではありません。
ただ、一度起こってしまうと取り返しのつかない事態に直結するので、兆候を見つけたときには、すぐに対応できるように心構えをしておくことをおすすめします。