まずはじめに

熱帯魚のエサの種類と特徴をチェック!

エサを自動エサやり機に入れている図

熱帯魚のエサは、現在主に5種類の選択肢があります。コストや使いやすさも当然違ってきますが、飼主の都合よりも飼育する熱帯魚の嗜好に合わせて購入する必要があります。

フレークタイプ

多くの熱帯魚の大好物である海草やプランクトン、その他必要な栄養成分をミキシングし、フレークタイプに固めたエサです。細切れの海苔のような形をしているので、口の小さな魚でも食べることができます

また、投入してから水面に浮いている時間が長いので、どちらかと言うと水面に近い位置で生活する熱帯魚に向いています。ただ、人間が海苔を食べるのと一緒で、なかなかお腹いっぱいにならないので、中型~大型の魚には向いていません

費用は安価で、50g(半年分くらい)で700円前後が相場です。

顆粒タイプ

成分はフレークタイプと同系統ですが、こちらは顆粒状に固められています

投入すると比較的早く沈み、水中を漂いながら緩やかに底面まで到達します。水槽の中層~下層を中心に生活する魚に向いているほか、顆粒の大きさも複数用意されているので、大型の熱帯魚にも与えることができます

価格帯もフレークタイプとほぼ同じで、非常に経済的です。

乾燥エサタイプ

熱帯魚の嗜好性が高い生き物(赤虫・イトミミズなど)を、そのまま乾燥させたエサです。熱帯魚が本来の生活で食べているものをそのまま使っていますので、嗜好性はフレークや顆粒タイプより高くなります。

熱帯魚の中には、これまでに紹介したような人工的なエサを食べない種類もいますので、そのタイプに対しては、使用の第一候補となる場合が多いです。

しかし、乾燥処理の過程で一部の栄養素が変質したり、消失していることがあり、栄養バランスが偏ってしまう傾向があります。長期飼育を目指す場合は、本タイプの単独使用は避けるのが賢明です。

冷凍エサタイプ

一つ前で紹介した嗜好性の高い生き物を、生のまま冷凍したエサです。

解凍すれば風味や栄養素は生のエサに限りなく近いので、ほとんどの魚が問題なく食べますし、冷凍庫に保存しておけば、長期間の保存に耐えます。(ただ、いわゆる「虫類」を冷凍庫に保管することになるので、同居者の理解が必要です。)

費用は、少量で買うとフレークタイプなどの人工的なエサより割高になりますが、30~50%程度なのでそれほど大きな影響とは言えないかもしれません。

使用時に解凍をする手間がかかること、また解凍後は見た目がまさに生の虫類になるので、そういったものが苦手な人には使用が難しいタイプです。

生きエサ

世の中は弱肉強食なので、草食性の魚を除けば、熱帯魚は他の(水中)動物を食べて過ごしています。そのエサとなる動物を、生きたまま熱帯魚に提供しようというのが生きエサです。自然界で食べているものをそのままの姿で与えるのですから、まさに究極の嗜好性と言って良いでしょう。

先ほどから名前が出ている赤虫やイトミミズのほかに、ブラインシュリンプ(動物性プランクトン)やメダカや金魚などの小型魚、コオロギなどの昆虫などがその対象になります。

先ほども書いたように、(病気中などの例外を除き)どんな魚でも食べるのですが、反面用意をするのはとても大変です。熱帯魚を飼うために、他の生き物もついでに買うわけですから、手間もコストも余分にかかってしまいます。

少しでもコストを抑えるため、飼育下での繁殖が容易な種(メダカの仲間)を積極的に飼い、つねに生きエサを自家生産している人も存在しています。熱帯魚飼育のコツがつかめるまでは、手を出さないほうが良いでしょう。

熱帯魚には種類や個体ごとに向くエサが違ってきますので、エサを買う前にどのタイプが適しているのか、必ず確認するようにしてください。

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