ネオンテトラの飼育方法まとめ
ネオンテトラは初心者でも飼いやすく、気軽に群泳を楽しめる種として非常に人気があります。とても小さい体のため、一匹だけではあまり目立ちませんが、20匹を超す群れを作ることができれば、十分水槽の主役を演じてくれる熱帯魚です。
飼育の容易さから、ホテルや病院のロビーに置かれた水槽に入れられることも多く、一般への知名度もかなり高いといっていいでしょう。
基本データ
名称 | ネオンテトラ |
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学名 | Paracheirodon innesi |
分類 | カラシングループ |
体長(成魚) | 3cm |
寿命 | 2年程度 |
飼育環境・飼育難易度 | |
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飼育温度 | 26℃前後 |
飼育水 | pH6.8 |
市場価格 | 20~50円(あまり1匹単位では売られておらず5匹250円、10匹480円等の価格で販売されます) |
総合飼育難易度 | ★☆☆☆☆ |
飼育のポイント
水槽の大きさは1匹2リットルで計算する
ネオンテトラは一般に飼育される熱帯魚の中でも最小クラスの小型種です。群れを作る特性から、同時に5~6匹は飼育することが望ましいですが、それでも30cm規格水槽で十分事足ります。
ただ、ネオンテトラを飼育するのであれば2~30匹の大所帯でまさに「群泳」を楽しむことも候補に入れたいものです。その場合、飼育したい匹数に対応できるだけの水量を持った水槽を導入してあげてください。(初心者の人は水量2リットルに対して、ネオンテトラ1匹が基準になります。)
中には90cm規格水槽を使って、100~150匹の大群泳を実現しているアクアリストもいます。この場合ネオンテトラだけでなく、ワンポイントとして近縁のカージナルテトラや、グリーンネオンテトラも一緒に入れることが多いようです。
これらの近縁種は、互いにケンカすることもなく同じ群れを形成してくれます。
底砂は大磯砂かソイルがおすすめ
ネオンテトラの飼育において、特定の機能や性質をもった底砂の導入は必要ありません。そのため、汎用的かつ半永久的に使用できる大磯砂の導入がお勧めです。
ただし、大磯砂には貝殻等のpHを変化させる異物が入っているものがあるので、貝殻等処理済みのものを購入するか、自身でしっかりと処理をしてから使うようにしましょう。
また、本種と同時に水草を飼育しようとする場合には、水草が根を張りやすいソイルを用いるのがお勧めです。
フィルターは外掛け式or上部式
ネオンテトラは特別に水を汚す種ではないので、フィルターの選定にそれほど神経質になる必要はありません。30cm水槽であればメンテナンスが容易な外掛けフィルター、45cm水槽であればもう少しろ過能力の高い上部フィルターを使用してあげればよいでしょう。
人工餌は細かく砕いて与える
ネオンテトラの人工餌への餌付けは非常に容易です。というよりも、飼育者は特に何もする必要はありません。
ただ注意点として、本種は非常に口が小さいので、通常タイプのエサをそのまま水槽に入れると、上手く食べることができません。場合によっては体内で餌を詰まらせ、そのまま死亡する事故につながる危険もあります。
そのため、ネオンテトラへのエサは「小型種用」「カラシン用」等の名前が着いた細粒タイプを用意するか、通常タイプのエサを指で潰して細かく砕いてからあげるようにしましょう。
混泳について
同種との混泳 | ○(容易) |
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他種との混泳 | △(可能) |
ネオンテトラは上の項目にも書いてある通り、もともと群れで生活する性質ですから、同種との混泳はむしろ推奨されます。水槽の大きさが許す限り、何匹いても大丈夫です。
他種との混泳に対しては、気質面での問題はないものの、その小ささが仇となってしまいます。つまり、少し大きな熱帯魚にとってネオンテトラは餌として認識されてしまうということです。
そのため、他種と混泳させる場合は、体長5cm以下の小型種かつ性格の穏やかな種に限って水槽に導入するようにしましょう。
繁殖難易度
飼育下での繁殖 | ✕(困難) |
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ネオンテトラの飼育下での繁殖はハードルが非常に高く、まったくおすすめできません。
東南アジアで商業的な繁殖ファームが存在しているため、不可能ということはありませんが、熱帯魚の繁殖を楽しむのであれば、他の種での実践を試みる方が精神衛生上もよろしいと思います。
飼育する上での注意点
ネオン病に気を付ける
ネオンテトラを飼育するうえで気を付けなければいけない病気が「ネオン病」です。これは、ネオンテトラとその近縁種にだけ見られる感染性の病気で、その感染力の高さはインフルエンザに例えられることもあります。
症状は、まず体の一部に内出血が見られ、徐々にその部分が白っぽくなっていきます。同時に群れから離れフラフラして泳ぐ、水槽の底でぐったりしている等の異常行動が見られます。
残念ながら、この病気には効果的な治療法が存在しないため、発病した場合には一刻も早くその種を水槽から取り出して、他魚への感染を防ぐのが最善となります。
具体的な予防策もないものの、適切な水質・水温の維持や定期的な水替えによって、ネオンテトラを健康に飼ってあげることで、病気の発生リスクを少しでも減らしていきましょう。