レッドテールキャットの飼育方法まとめ
レッドテールキャットフィッシュは、名前の通り赤い尾ビレ(レッドテール)が特徴的な大型のナマズ(キャットフィッシュ)です。
身体は非常に頑丈で、正面から見るとナマズらしく可愛らしい顔をしているので、アクアリストの世界でも人気のある部類に入ります。水質にうるさくなく、病気もほとんどしないので、その点では大変初心者向けといえますが、飼育するうえで課題になるのはその体躯です。
基本データ
名称 | レッドテールキャットフィッシュ(通称:レッドテールキャット) |
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学名 | Phractocephalus hemioliopterus |
分類 | ナマズグループ |
体長(成魚) | 100~110cm |
寿命 | 15年程度 |
飼育環境・飼育難易度 | |
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飼育温度 | 26℃前後 |
飼育水 | pH6.7 |
市場価格 | 1,000~2,000円(5cm程度の幼魚) |
総合飼育難易度 | ★★★★☆ (ただし、困難なのは飼育スペースの確保と費用面) |
飼育する前に確認したい2つのポイント
値段はかなりの額を見積もっておく
180cmのアクリル水槽だけで10万円前後を考える必要があります。その他に、ろ過器やヒーターが必要ですから、初期投資額は20万円くらい見積もっておく必要があります。
設置場所はスペースと床の耐荷重量に注意する
180cm規格水槽のサイズは「1800×900×600mm」が一般的で、さらにろ過機等の設置場所が必要です。畳3畳分くらいのスペースは食いつぶすとみるべきでしょう。
さらに、180㎝水槽では水や水槽の自重、その他の設備を合わせると、飼育環境全体でおよそ1トン程度になると考える必要があります。住宅の施工会社等に事前相談して床の補強は忘れずに行いましょう。
飼育のポイント
水槽は最終的に180cmの大きさが必要
レッドテールキャットフィッシュの飼育における最大の障害であり、初心者が一番失敗しやすいのが、この水槽選びです。これは売る側の課題でもあるのでしょうが、世の中に出回っているレッドテールキャットは、5~8cm前後の幼魚が多数を占めます。
丸っこくて可愛らしい姿が目に留まり、知識のない初心者の方が購入するのですが、本種は5cm程度から半年で30cm、1年で60cmオーバーのサイズまで成長してしまいます。
もしはじめに用意していた水槽が60cm規格サイズであれば、半年で手狭になり、1年以内に間違いなく飼育できなくなるということです。
その後もレッドテールキャットは順調に成長を続け、平均で100~110cm、最大で120cmにまで大きくなります。その成長に必要な期間はわずか2~3年です。このサイズを飼育していくには、最低でも180cmサイズの水槽が必要となります。
底砂は敷かない方が手入れが楽
レッドテールキャットを飼育する場合、底砂を敷かないベアタンクでの飼育をお勧めします。同種は大食いの肉食魚なので、食べ残しや糞などのごみがすぐたまりますが、ベアタンクであれば掃除は非常に容易です。
フィルターは外部式を複数台稼働させるのが理想
レッドテールキャットは大型でとても大食いのため、水をものすごい速度で汚していきます。ですから飼育水の環境維持のためのろ過フィルターは、最も能力に優れた外部フィルター以外選択肢はありません。
そのうえで、フィルターは180㎝サイズに対応できるもの1台を置くのではなく、多少能力が低くても良いので複数台を設置するようにしましょう。例えば、150cm対応のフィルター×2台などです。
そしてそのフィルターを交互にメンテナンスすることで、環境の変化を穏やかにしたり、フィルター1台に係る負荷を軽減したりしてあげると、環境の維持が容易になります。
人工餌への餌付けは可能だが栄養面に気を付ける
レッドテールキャットは雑食性の食いしん坊なので、魚のたべそうなものはたいていなんでも食べます。小魚やエビ、昆虫などの生餌はもちろん、冷凍餌も初見で食べてくれることが多いです。
人工餌についても、他の餌(生餌・冷凍餌)と一緒に水槽に落としてあげれば、そのうち食べ始めることがほとんどです。人工餌は大型ナマズ用の飼料をあげれば問題ありません。栄養面の偏りをなくすため、生餌や冷凍餌と半々くらいの割合にしてあげるといいでしょう。
混泳について
同種との混泳 | ✕(不可) |
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他種との混泳 | ✕(不可) |
レッドテールキャットはテリトリー意識が強く、大きな魚食家でもあるため、同種・他種問わず混泳には向きません。同種同士では激しくケンカし、他種では基本的にその熱帯魚を食べようとします。
自分と同じサイズでも平気で食べようとして、喉に詰まらせて命を落とすこともありますので、絶対に混泳はやめましょう。(自分より大きいサイズはさすがに食べないようですが、そんな熱帯魚は数が知れています。)
またそもそもの問題として、本種を飼ってしまえば他の熱帯魚が住むスペースは水槽にないはずです。(水族館並みの施設があれば話は別ですが…)
繁殖難易度
飼育下での繁殖 | ✕(困難) |
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レッドテールキャットは繁殖個体の流通がメインであり、繁殖技術自体は十分に確立されていると言えます。しかし、単体で100cmを超える本種をペアリングさせ、繁殖を実現するには単身者用アパート1部屋サイズの水槽が必要でしょう。
実際の繁殖現場では大規模な池等に施設をもってやっているようなので、個人で挑戦することは現実的に不可能と考えてよいでしょう。