まずはじめに

水槽に底砂を敷くメリットと選び方を解説!

底砂

飼育環境に底砂を敷くか敷かないか、敷くならどの種類にするかは、1度よく考えてから決めたい問題です。というのも、底砂は変えるとなったら熱帯魚を出して~、水を抜いて~と、水槽リセットを行う必要があり、非常に手間がかかるからです。

底砂を敷くメリット

熱帯魚飼育で使用される底砂には、

  • 景観の向上
  • ろ過能力強化
  • 水質維持(酸性~アルカリ性など)

などの効果があります。

底砂を使用することで水槽内にいい影響をもたらすのは間違いありませんが、熱帯魚飼育において「絶対に必要なもの」ではありません。底砂を敷かない(ベアタンクと呼びます)環境でも、多くの熱帯魚は飼うことができます。

今回は(1)掃除のしやすさ、(2)コスト、(3)ろ過性能、(4)見た目の4つの点からベアタンクと底砂ありの環境のどちらが優れているか見ていきましょう。

掃除のしやすさ

ベアタンクの勝ち!

掃除のしやすさは、ベアタンク飼育における最大のメリットといえるでしょう。飼いはじめ、水槽の底に何もありません。しばらくすると、何かが溜まってきます。餌の食べ残しや熱帯魚のフンです。見れば一目瞭然、どうしても気になりますから掃除への重い腰も上がるでしょう。

底砂がありませんので、掃除はゴミをホース類で吸いとれば大丈夫です。底砂の吸い込みを恐れて、そ~っと事を進める必要もありません。もちろん、ネットでガシガシ取ることだってできます。綺麗になったかどうかも、パッと見れば分かりますからとても助かりますね。

コスト

ベアタンクの勝ち!

当たり前ですが、底砂を使わないならかかる金額はゼロです。熱帯魚飼育は維持コストよりも初期コストの方が圧倒的にかかるので、結構バカにできません。

ろ過性能

底砂ありの勝ち!

水質の維持にはろ過バクテリアが必要であり、その数は多ければ多いほど安定します。底砂を入れれば、底砂にもバクテリアが付着・繁殖できますので、その分水質維持に貢献してくれます。

見た目

底砂ありの勝ち!

ベアタンクの見た目は、いわゆる「生け簀」(いけす)です。かなり味気ないという印象を持つ人が多いでしょう。底砂を入れると、ぐっと自然な見た目に近づき、ゆっくり眺めたくなるような、そんな水槽を実現することができます。

比較まとめ
ベアタンク
水が汚れやすくこまめな掃除は必要だが、掃除自体は簡単で砂代がかからない
底砂
砂代が必要で掃除のときは大変だが、水が汚れにくいため手入れの回数が少なく済み、見た目もいい

底砂の種類と選び方

底砂を敷くと決めたら、次に検討するのが種類です。それぞれに特徴がありますので、以下にまとめておきます。

砂利系…淡水飼育における王道!

淡水飼育において最もスタンダードなのが、大磯砂に代表される砂利系の底砂です。おおむね、粒の大きさが3~5mm位のものを砂利と呼びます。自然の川の景観に近づけたい人には特におすすめで、自然にできた砂のため、ほぼ半永久的に使用することができます

注意点として、水質をややアルカリ性に傾ける性質があること、栄養分を持たないので水草の生育には向かないことがあります。とはいえ、その汎用性は特筆すべきものがあり、淡水水槽で何を敷くか迷ったらこの種類を選んでおけば間違いありません。

砂系…底モノがいるならコレを選ぼう!

砂利系に次いでメジャーといえる、砂系。粒の大きさが3mm未満のものを砂と呼び、砂利と区別していますが、この辺の棲み分けは結構曖昧な部分があります。砂利系より細かくて丸みがある粒なので、コリドラスなどの底モノに対してすごく相性が良い底砂です。

半永久的に使用できるという砂利系と同じ長所もあり、底モノの飼育を考えるならば砂利系よりもおすすめです。

ソイル系…水草命!な人へ

ソイルは、栄養分を含んだ土を焼き固めて粒状にしたものです。素材の特性上、植物が根を張って元気に育ちやすいので、水草の飼育に絶対的なアドバンテージがあります。

また、ほとんどのものは水質を酸性よりに傾ける性質があるため、ビーシュリンプなどの弱酸性でしか生きることができない生体を飼うことにも向いています。

一方で、1~数年の使用で焼き固められた土がぼろぼろと崩れ始めてくるので、製品寿命が極めて短いものとなります。半永久的に使える他の底砂とは、手間・コストの面でとても不利なのです。

サンゴ砂…海水魚飼育ならコレ

サンゴが風化して砂になったものです。ご存知の通り、サンゴはもともと海にいたものなので、海水魚飼育にぴったりの底砂となります。

水質をアルカリ性に傾ける特性があるので、淡水魚ではアルカリ性を特に好む種(アフリカンシクリッドなど)に使われる場合もあります。

耐久性は半永久的に使えるものなのですが、上の説明の通り、海水魚飼育以外での使用の道はほとんど見出せません。

人工砂(セラミック、ガラス等)…キラキラな水槽を作りたい!

これまで紹介したものは、(加工はしていても)自然のものを原料にしていました。その他に、セラミックやガラスで完全に人工的に作られた底砂も存在します。

この種類の特徴は、自由に作れる色や形です。透明、赤、青、黄色、緑、紫……、これを使えば水槽をカラフルに彩ることができます。よほどの粗悪品でなければ水質への影響はありません。一方で、あまりに人工的な印象になってしまう側面は否めず、そこを受け入れられるかどうかが導入のカギとなるでしょう。

この記事をシェアする