コケの種類と初心者でも簡単にできるコケ対策を解説!!
水槽のガラス面にコケが発生すると、曇りガラスのように光を遮ってしまいます。その他にも、水槽にまとわりついたり、水中を漂ったりとコケの発生は熱帯魚飼育を続けるうえで必ず出てくる問題です。
コケの原因
まず、コケの発生源ですが、これは水道水に含まれる(目に見えない大きさの)コケの胞子や欠片です。どんなに注意しても、水道水を普通に使う以上は水槽への流入を防ぐことはできません。
水槽に漂うコケは、ほかの植物と同じく水+栄養+光によって増殖していきます。
水槽の中ですから水分には事欠きません。栄養は人が水槽にどんどん投入していく餌や、水草用の肥料などが存在しています。そして毎日定期的に点くライトがたくさんの光を提供してくれるのです。
水槽という環境は、コケの仲間にとってパラダイスといえるくらい最高の環境なのです。
コケの種類
では、コケの仲間にはどのような種類がいるのでしょうか。それぞれ特徴や対策が違ってくるので、簡単に頭に入れておきましょう。
茶ゴケ
水槽に発生するコケの仲間の中で最も一般的で、どんな飼育環境でも必ず発生するといっていいでしょう。水槽のガラス面はもちろん、石や流木、フィルターのパイプまで、水中に光が届くあらゆる部分に発生します。
ろ過システムが未熟な水槽の稼働初期に増えることが多いですが、ろ過の安定により自然減少するケースも多くあります。その他にも多くの対処法があり、それほど神経質になる必要はない種類です。
スポットゴケ
こちらもメジャーなタイプで、多くの水槽に発生します。主にガラス面に、丸いスポット状の緑ゴケが発生します。自然減少こそしないものの、こすれば簡単に取れるコケなので、こちらもそれほど対処に困らないコケです。
糸状コケ/アオミドロ
厳密には違う種類ですが、見分けがつきにくく対処法も同じなのでよく一括りにされます。
一度発生してしまうと、凄まじいペースで増殖する厄介な糸状のコケです。見た目はとろろ昆布に似ています。付着力が強いので、こすったり引っ張ったりして取るのが困難なため、多くは付着物ごと廃棄することになってしまいます。
ひげコケ
黒~茶系のひげ状に生えるコケです。水が淀んだ水槽の隅などで発生しやすい傾向があります。こちらも付着力が強力で、なかなか駆除が大変な厄介なコケです。
藍藻(シアノバクテリア)
コケの仲間として紹介していますが、厳密にはシアノバクテリアと呼ばれる植物性細菌の一種です。この種類の特徴は、とにかく臭いがきついこと。水槽の置いてある部屋が悪臭に包まれます。
幸い付着力が弱いので対処は簡単にできますが、繁殖力が強いのでやる時は根こそぎ排除する必要があります。
アオコ(グリーンウォーター)
アオコはどこにも付着することなく、水の中を漂いながら増殖する浮遊性のコケです。水が緑色に染まるため、アオコが発生した状態をグリーンウォーターと呼びます。
この種類はある意味究極に厄介なコケと言えるかもしれません。水中全体に漂い続けるため、物理的な排除がほぼ不可能だからです。発生が分かったら、一刻も早く対処していく必要があります。
このように、一口にコケと言っても様々な種類があります。それぞれ対処法も異なってくるので、方法別に少しずつ勉強していきましょう。
コケの対策
コケの対策には、主に物理的対策・薬品を用いた対策・コケを食べる生物の導入の3パターンの方法があります。
物理的対策
お掃除
基本にして王道。何はなくともまずはこれに尽きます。生えたコケを掃除で除去するのです。掃除した後のコケが水槽内に漂ってしまうと、またコケが生える原因となりますので、水換えの前に掃除をしてできる限りコケを吸い出せるようにできるとよいですね。
コケ掃除用の専用スポンジなども売っていますが、別にそれを使わなくても軍手をして擦ってあげれば、多くのコケは除去できてしまいます。ヒゲコケなどの根深く剥がすことが難しいコケは、下敷きなどの固いプラ板をスクレーパー代わりにして挑戦してみましょう。(ガラス面などを傷つけないようご注意を!)
捨てる
お掃除と似ていますがもっと手早いです。コケの生えた石や水草、用具類をそのままポイッと捨ててしまいます。お気づきの通りとてももったいないので、積極的にこれを選択するよりも、どうにも対処できなくなった時の最終手段として用いられることが多いです。
RO水の使用
コケ類が発生する大元は、水道水の中に含まれているコケの胞子やカケラです。
そこで特殊な高性能フィルターを使い、その原因たちを完全に取り除いた水(RO水)を作れば、そこからコケが生えることはなくなるわけです。どのコケ類にも効果がありますが、コケの胞子は空気中にも漂っていますので、リスクを完全に0にはできません。
また、RO水を作るフィルターは高価格(数万円~)で、水のろ過にも時間がかかります。導入のハードルは結構高いです。
水換え&エサ切り
コケ類は水槽の中にある栄養分を餌に成長しますので、それを減らしてあげれば増殖のペースは衰えます。
水換えで水中に漂う栄養分を除去しつつ、エサの量を抑えることで入ってくる栄養分をゼロに近づけます。圧倒的な効果はありませんが、継続することで目に見えてコケの増殖ペースが変わってきます。
なお、エサの量を抑えるといっても、熱帯魚には影響が出ないよう注意して行ってください。
薬品を用いた対策
コケ防止剤の使用
熱帯魚用品コーナーでは、清掃用品の棚にコケ防止剤が売られています。説明書き通りにつかえば、どんな種類のコケも発生しない一番楽な方法です。(既に発生しているコケには残念ながら効果が薄いです)
ただ、コケ防止剤は植物の光合成を妨げる成分が含まれているため、水草を1つでも入れていると使うことができません。(水草が枯れてしまいます)その点を除けば、手間・コストの両面で最もおすすめできる方法です。
木酢液
お掃除で除去できない根深い種類のコケに特におすすめの方法です。
コケの仲間をいったん水槽から出し、木酢液(ホームセンターなどで売っています)を塗り付けて3分ほど放置します。その後、木酢液を洗い流したら水槽に戻して完了です。終わってすぐの段階では何も変化がありませんが、2~3日経つとコケが枯れてきて、やがて剥がれてしまいます。
ただし、非常に強力な方法のため、水草に直接生えたコケには使えません。水草も一緒に枯れる運命をたどってしまいます。
照明の点灯時間の短縮
コケの仲間は光合成を行いますので、照明の点灯時間=成長できる時間です。つまり、点灯時間を短くすれば成長しにくくなります。
熱帯魚の生活リズムに合わせつつ、コケの成長をぎりぎりまで抑制できるのは7時間が基準になりますので、その時間まで消灯時間を短くしてしまいましょう。
コケを食べる生物の導入
コケ類を食べる生物を水槽に導入して、コケを食べて減らしてもらおうとする対策です。コケ類がいなくなるのに加え、多様な生体を入れることができるので、水槽が華やかになる効果もあります。