種類別飼育方法

カクレクマノミの飼育方法まとめ

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カクレクマノミは、熱帯魚とかかわりのない一般の人でも知っている人が多い、とてもメジャーな海水魚です。橙色に白の隈取模様が特徴的で、イソギンチャクと共生することでも有名です。

以前は、自然界で採取された個体しか流通していませんでしたが、ここ数年で繁殖技術が確立し、ブリード個体が市場に出回ったことでとてもお求めやすい価格帯になってきています。

基本データ

名称 カクレクマノミ
学名 Amphiprion ocellaris
分類 スズメダイグループ
体長(成魚) 12cm
寿命 7年程度
飼育環境・飼育難易度
飼育温度 25℃前後
飼育水 pH8.2
市場価格 1,000円
総合飼育難易度 ★★☆☆☆易     難
近縁種(共通の飼育方法) クラウン・アネモネフィッシュ

飼育方法

水槽の大きさは75cm以上がベスト

カクレクマノミは成魚だと10㎝超になる中型魚なので、45cm規格より大きな水槽で飼育してあげる必要があります。

ただし、幼魚から成魚になるペースはかなり緩やかなので、まだ子どものおチビちゃんを迎え入れた場合には、2年くらいは30cm水槽で飼育することも不可能ではありません。(水量が減る分飼育難易度は上がってしまいます。)

もし「イソギンチャクを一緒に飼育したい」という希望がある場合には、45cmでは全く大きさが足りません。最低でも75cm規格以上のサイズを用意してあげるとともに、生育に必要な光量を確保するため、高輝度のスポットライトを用意してあげましょう。

底砂はスタンダードな「サンゴ砂」

カクレクマノミを飼育するうえで、底砂について気を付けるべき事項は特にありません。海水魚飼育におけるスタンダードである、サンゴ砂を適当(3cm目安)に敷いてあげましょう。

粒度についても特に気を付けるべきところはなく、パウダータイプからブロックタイプまで、飼育者の好みでもんだいありません。

ろ過設備は外部フィルター or オーバーフロー

カクレクマノミフィルター付近にいるカクレクマノミ

カクレクマノミは熱帯魚全体を通してみれば、水質の悪化に強く、そこまで強力なろ過装置は必要としません。外部フィルターのみの運用で十分飼育が可能です。

ただ、イソギンチャクを同時に飼育したいと考えている場合には話が変わってきます。イソギンチャクは水質の悪化に弱く、また暑さにもすぐにやられてしまうのです。

そのため、イソギンチャクとの共生を目標とするのであればオーバーフロー水槽を用いて十分なろ過能力を確保すると同時に、クーラーやプロテインスキマーなどの補助的な装置もしっかり準備するようにしましょう。

餌は人工餌で可

カクレクマノミは海水魚の中で数少ない、全く餌付けをしなくても人工餌を食べてくれる種です。特に近年流通のメインとなっている繁殖個体は、これまで人工餌しか食べたことのない個体なので、餌を水槽に放り込めばバクバク食べに来てくれるでしょう。

混泳について

同種との混泳 (可能)
他種との混泳 (可能)
サンゴとの同居 (容易)
混泳中のカクレクマノミ

カクレクマノミの混泳は条件さえ整えてあげればうまくいくケースが多いです。まず同種との混泳ですが、「水槽内で2匹のみ」かつ「体の大きさが見た目で明らかにわかる程度に違う個体」であれば、ほとんどの場合うまくいきます。さらにトントン拍子に行けば、ペア成立(夫婦になる)も夢ではありません。

他種との混泳ですが、同じグループに属するスズメダイ科の海水魚とはうまくいきませんので、底層性のハゼなどがうまくいきやすいです。なお、「ファインディング・ニモ」の影響でナンヨウハギ(ドリーのモデル)を一緒に飼いたいと考える人が多いようですが、ナンヨウハギは20cm超と大型になるうえ、飼育難易度がカクレクマノミより数段高いです。安易な気持ちでは手を出さないようにしましょう。

サンゴとの同居は容易で、イタズラで突っついたり、ポリプをかじったりしてサンゴを弱らせる行動はしません。

繁殖方法

飼育下での繁殖 (可能)

カクレクマノミは海水魚の中で繁殖実績が多く報告されている種ですので、十分挑戦する価値があります。ただ、その難易度は相当高いので、覚悟を決めて取り組んでいきましょう。

具体的な準備としては、まずペアを成立させたい2匹+イソギンチャク以外は水槽に入れません。(養殖個体は繁殖にイソギンチャクを必要としないという説もあります)

2匹のカクレクマノミ

2匹への餌は人工餌の他に、エビなどの自然飼料も与え、ろ過を十分効かせます。上手くいけば、イソギンチャクの周辺に卵が産みつけられることでしょう。

卵は孵化するまで親が世話をします。夜間に生まれますが、ろ過が動いていると稚魚が吸い込まれてしまうので、夜間はろ過装置を止めましょう。生まれた稚魚は、プラケースなどで掬い、ワムシ→ブラインシュリンプの順で餌を与えていけば大丈夫です。

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