種類別飼育方法

チリメンヤッコの飼育方法まとめ

チリメンヤッコ

チリメンヤッコは、ルリヤッコやフレームエンゼルと並ぶ小型ヤッコの代表種です。本種は両者に比べるとあまり派手な体色は持っていませんが、体表に細かなチリメン(※)様の模様があり、頭から白~黒と流れるように変化する体色が「いぶし銀」的であると評価されることが多いです。

(※)…表面にシボ(凹凸)が現れるのが特徴で、主に高級な呉服や風呂敷に使われる生地のこと。

小型種のため初級者が導入しやすい中型水槽でも飼うことができるありがたい1種ですが、他の小型ヤッコに比べ少し病気に弱い面があります。特に鱗が細かいことから、白点病などには十分注意しましょう。

基本データ

名称 チリメンヤッコ
学名 Chaetodontoplus mesoleucus
分類 ヤッコグループ
体長(成魚) 15cm
寿命 4年程度
飼育環境・飼育難易度
飼育温度 25℃前後
飼育水 pH8.2
市場価格 2,000~3,000円
総合飼育難易度 ★★☆☆☆易     難

飼育のポイント

水槽サイズは60cm以上がベター

チリメンヤッコは大人になっても10cm中ごろとそれほど大きくなりません。泳ぎの活発さも標準的なので、60cm規格水槽で十分飼育することができます。

45cm水槽でも単独飼育なら飼えないことはないですが、上で説明している通り、少々病気に弱い性質を持っていることがネックです。

海水魚飼育における病気の原因は、ほとんどが「飼育水の汚れ」「水温の急激な変化」なのですが、水槽の小型化は両者に対する緩衝性を犠牲にしてしまうのです。

45cm水槽は、ある程度腕に覚えのある中級者以上の人にとって取り得る選択肢となるでしょう。

底砂はスタンダードな「サンゴ砂」

チリメンヤッコを飼育するうえで、底砂について気を付けるべき事項は特にありません。海水魚飼育におけるスタンダードである、サンゴ砂を適当(3cm目安)に敷いてあげましょう。

粒度についても特に気を付けるべきところはなく、パウダータイプからブロックタイプまで、飼育者の好みでもんだいありません。

ろ過設備はオーバーフローが最適解

チリメンヤッコの飼育におけるろ過設備は、海水魚飼育のスタンダードであるオーバーフローを選択するのが最善です。一般的なフィルター機能に加え、白点病予防のための殺菌灯を用意してあげられる点も優位に働きます。

人口餌での餌付け方法

チリメンヤッコの人工餌への餌付けは、不可能ではないものの苦労します。理想としては、既にショップに導入されて時間が経ち、餌付けが完了している個体を買ってくる方が手間がなくて良いでしょう。これから人工餌で餌付けする場合は、以下の手順で進めることをおすすめします。

  1. まずは生餌(or冷凍餌)をあげて2週間くらい様子を見る(餌の例:アサリのミンチ、ブラインシュリンプ)
  2. 1の餌の中に、人口餌を細かく砕いた粉末を混ぜる(1割くらいから)
  3. 徐々に人口餌の割合を増やす。食べなくなった時点で、割合は減らししばらく様子を見る
  4. 人口餌の割合が9割を超えても食べるようになったら、砕く前に人口餌を並行して与える
  5. 徐々に砕く前の人口餌の割合を増やし、完全に移行できれば餌付け完了

全体を通して1~2か月程度かかることを覚悟しましょう。

混泳について

同種との混泳 (困難)
他種との混泳 (可能)
サンゴとの同居 (困難)

チリメンヤッコはヤッコの中では穏やかな性格をしていますが、それでも同種間では争うことが多いですから、同種間の混泳は避けた方が良いでしょう。

また、他のヤッコ類に対しては、相対的に穏やかな性格が手伝って、本種がいじめられる側になってしまうことが多いです。

あまり反抗はせず、一方的に攻撃を受けてボロボロの体表になり、そこから白点病などに侵されて命を落とすケースが多いので、ヤッコ類との混泳は避けるようにしましょう。

ヤッコを除く他種との混泳は、比較的成功する可能性が高いといえます。とはいえ、ケンカが発生すれば先ほど紹介したように命を落とす可能性が高いので、相手を選ぶ必要があるでしょう。

小型のハゼ類やスズメダイの中で比較的おとなしい性質の種(デバスズメダイなど)の他、クマノミなどが同居相手として適性が高いといえます。

最後にサンゴとの同居ですが、これはヤッコやチョウチョウウオ全般に共通するサンゴをかじる特性から、不可能となっています。残念ですがあきらめて別水槽などを用意しましょう。

繁殖難易度

飼育下での繁殖 (困難)

チリメンヤッコの一般飼育下での繁殖方法は確立されたものはなく繁殖の実現は困難です。繁殖への挑戦は諦めて、いま飼育している個体に情熱をそそぎましょう。

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