ナンヨウハギの飼育方法まとめ
ナンヨウハギは、以前から海水魚飼育の愛好家の間で人気のある種でしたが、ピクサー映画『ファインディング・ニモ』で一気にその知名度を上げました。ニモのお父さんと共にニモ探しをする、ちょっとおとぼけだけど陽気なドリーというキャラクターに抜擢され、人気がはね上がりました。続編映画の『ファインディング・ドリー』ではなんと主役を務めていることも、その人気を裏付けているといえるでしょう。
見た目は映画の通りとても愛らしいフォルムと顔をしており、美しい青に黄色い尾ヒレや黒の模様がある体色は大変鮮やかで、水槽の彩としても申し分ありません。
映画の影響でペットショップでの人気も高まり、一時相場があがったこともありましたが、さすがに最近は落ち着いているようです。どうしても『ファインディング・ニモ』のイメージが強いので、カクレクマノミと一緒に買おうとする人が後を絶ちませんが、カクレクマノミと比較して飼育難易度は数段高く、安易な導入は控えなければいけません。
基本データ
名称 | ナンヨウハギ |
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学名 | Paracanthurus hepatus |
分類 | ニザダイグループ |
体長(成魚) | 25cm |
寿命 | 8年程度 |
飼育環境・飼育難易度 | |
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飼育温度 | 25℃前後 |
飼育水 | pH8.2 |
市場価格 | 3,000~5,000円 |
総合飼育難易度 | ★★★★☆ |
飼育のポイント
水槽の大きさは75cm以上がおすすめ
一般にペットショップで売られているナンヨウハギは10cm以下ですが、成魚では25cm程度まで大きくなります。中には30cmほどに成長する個体もいます。
そういった理由から、おすすめの水槽サイズは少し大きめの75cm規格以上のサイズです。
カクレクマノミが45cm水槽から飼うことが可能と考えると、2サイズほどサイズアップしなければいけないことが分かります。そして両者を一緒に飼ってあげたいということであれば、やはり90cmサイズは欲しいところです。
ナンヨウハギは岩場の隙間に入って隠れることが好きなので、水槽内はライブロック(疑似でも可)などを上手にレイアウトして、本種のスリムな体型を隠せるような、隙間や影を作ってあげましょう。
底砂はスタンダードな「サンゴ砂」
ナンヨウハギを飼育するうえで、底砂について気を付けるべき事項は特にありません。海水魚飼育におけるスタンダードである、サンゴ砂を適当(3cm目安)に敷いてあげましょう。
粒度についても特に気を付けるべきところはなく、パウダータイプからブロックタイプまで、飼育者の好みで問題ありません。
オーバーフローシステムと殺菌灯で白点病を防ぐ
ナンヨウハギの飼育で最も課題になるのが病気のなりやすさで、特に白点病は海水魚でも1,2を争うほどかかりやすい病気です。そのため、水質の悪化を防ぎ病気の予防をするためにフィルターはオーバーフローシステムを必ず使用してください。
オーバーフローの絶対的優位点である水量の確保と高いろ過能力に加え、忘れてはいけないのが殺菌灯の導入です。白点病の予防に一定の効果を見込めますので、ナンヨウハギのいる水槽には必ず殺菌灯を準備してあげるようにしましょう。また、他の魚と飼うときは必ずトリートメントを完了した後で同居させるようにしてください。
餌付けはかなり簡単
ナンヨウハギは大変な食いしん坊で、食性も動物性から植物性まで比較的広い範囲を食べます。その中でも、植物性の食事(海藻類)に目がないので、餌は「植物性の比率の高い」餌を上げるようにするといいでしょう。
餌付けについてもその旺盛な食欲で、特に何もすることなく初日から人口餌を食べてくれることがほとんどです。最初食べなくても、数日間毎日餌を上げていれば食べ始めるようになるでしょう。
混泳について
同種との混泳 | △(可能) |
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他種との混泳 | ○(容易) |
サンゴとの同居 | ○(容易) |
ナンヨウハギはそのサイズの割に性格は温厚で、多くの熱帯魚とうまく同居ができます。ただし、水槽のキャパシティには十分注意しましょう。ナンヨウハギを加えて複数匹の海水魚を飼うには、最低でも90cm水槽が必要です。
同種については、相性の問題よりサイズの問題を気にすべきでしょう。ケンカで殺し合いになることはありませんが、水質の悪化やストレスの影響を十分考える必要があります。
他種については、多くの海水魚と混泳可能です。カクレクマノミのような小さいサイズの海水魚もいじめることはなく、特に心配いりません。
一部注意しなければいけないのが、他のハギの仲間で、これはケンカが起こりやすくなるので同居は避けるようにしてください。サンゴとの相性も全く問題なく、どの種類との同居が可能です。
繁殖難易度
飼育下での繁殖 | ✕(困難) |
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ナンヨウハギの一般飼育下での繁殖方法は確立されたものはなく、繁殖の実現は困難です。繁殖への挑戦は諦めて、いま飼育している個体に情熱をそそぎましょう。