ハタタテハゼの飼育方法まとめ
ハタタテハゼの特徴は、その名前の由来にもなっている旗を立てたような背びれと、赤と白のグラデーションが織りなす美しい体色です。その上品な見た目は貴族のお嬢様のようだと形容されることもあります。
ちなみに、同様の方法で飼えるアケボノハゼは、もう少し派手な紫~白のグラデーションを持っており、貴婦人のようといわれることがあるそうです。
本種の性質は一言でいうと「臆病」であり、すぐに物陰に隠れてしまう鑑賞者泣かせの熱帯魚です。ただ、身体の丈夫さや環境への適応力は海水魚でもトップクラスに高く、飼育難易度としてかなりの初心者向きといえます。
基本データ
名称 | ハタタテハゼ |
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学名 | Nemateleotris magnifica |
分類 | ハゼグループ |
体長(成魚) | 7cm |
寿命 | 3~5年程度 |
飼育環境・飼育難易度 | |
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飼育温度 | 25℃前後 |
飼育水 | pH8.2 |
市場価格 | 1,000~1,800円 |
総合飼育難易度 | ★☆☆☆☆ |
近縁種(共通の飼育方法) | アケボノハゼ |
飼育のポイント
水槽の大きさは45cm以上
ハタタテハゼは体長10㎝に満たない小型種で、ちょこまかと動き回る種類でもないため、飼育にそれほど大きなスペースは必要としません。45cm規格水槽で十分に飼育できます。
なお、ハタタテハゼは岩の隙間(特に底面と岩の間)に入り込んで自分の巣として利用しますので、必ずライブロック(擬岩も可)などを水槽に入れてあげるようにしてください。
砂は粒の細かいパウダータイプのサンゴ砂を選ぶ
ハタタテハゼを飼育する場合、底砂は必ずパウダータイプのサンゴ砂を引いてあげるようにしてください。
ハタタテハゼは巣に良さそうな場所を見つけた際に、そこに底砂が入っていると自分でせっせと砂を外に出してスペースの確保をします。この時、大きなサイズのサンゴ砂だとうまく作業ができなくなってしまうため粒の細かいパウダータイプが都合が良いのです。
フィルターは外部フィルターがおすすめ
海水魚全体で見れば、ハタタテハゼは水の汚れに強い種といえます。また、その見た目通り決して大食いではないので、それほど水を汚すこともしません。これらのことから、本種は外部フィルターで十分飼育できるといえるでしょう。
注意事項として、泳ぎがそれほど得意なわけではないので、あまり強い水流はストレスとなってしまいます。取水口を水槽のガラス面にむけるなど、必要な対処をしてあげましょう。
餌は海水魚用ならたいてい食べる
ハタタテハゼは海水魚の中で数少ない、全く餌付けをしなくても人工餌を食べてくれる種です。理想を言えば、ショップで食べている餌を聞いて同じものを買ってあげるのがベストですが、世の中に出回っている「海水魚の餌」であればたいてい初見でも食べてくれます。
混泳について
同種との混泳 | ✕(不可) |
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他種との混泳 | △(可能) |
サンゴとの同居 | ○(容易) |
ハタタテハゼはとても大人しく穏やかな種ですが、それが仇となって混泳相手を選びます。少し気が強い同居魚がいると、すぐにいじめられてしまうのです。なお、同種同士はハゼの仲間の例に漏れず、縄張り争いが繰り広げられる為絶対NGです。
他種との混泳は、クマノミやデバスズメダイなどの比較的穏やかなスズメダイの仲間や、小型ヤッコ、マンダリンフィッシュなどが比較的成功率が高い相手です。気性が荒い種は同居が難しいと思ってください。
サンゴとの同居については、特に問題ありません。
繁殖難易度
飼育下での繁殖 | ✕(困難) |
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ハタタテハゼの一般飼育下での繁殖方法は確立されたものはなく、繁殖の実現は困難です。繁殖への挑戦は諦めて、いま飼育している個体に情熱をそそぎましょう。